エリオット詩集 [本]
築30年以上の古い家なので、1階の床が抜け落ちたことがあった。はじめてリフォームすることになって、沢山の蔵書を処分しなければならなくなった。私も本に埋もれて死ぬのは厭だったから、全部自分のものでもあったし、古本屋にただでもって行ってもらい、引き取ってもらえなかったものはゴミとして出した。それもひと苦労だった。選別する時間などなかったから、全部処分した。今考えると想い出もともに捨ててしまったような気がして残念でならない。仕方がないけど....。それでも床を直して本はもう読まないと決めて、ピアノを買って(古いピアノはまだ2階にあるけど、鳴らなかったり、調律もしてない)おいた。それでもどうにかすると、最近になってキニナルフレーズが浮かぶのだ。それはクーロン。
確か香港の街、九龍にちがいなかった。それが出てくるのはT.Sエリオットの詩集だと思う。が、それはもう今は手元になく、検索しても絶版になっているようで、古本しかなかった。人の読んだ本は潔癖症の私としては厭なので、少し値が張るけど原文も付いてるものを入手することにした。
しかし、どうにも訳が昔読んだのとは違っていて(当然だろう、訳者が違うのだから)気に入らなかった。それにクーロンはなかった。他にもT.Sエリオットは詩を書いている。「四つの四重奏曲」や...。しかし、それに出てるかどうか?何となく、若い頃愛読した詩集にはなかったような気もした。それではないような気がした。それではどれ?
気になると眠れなくなる。そうなると、日常生活に差し支える。
エリオットの詩のタイトルといい、音楽に関係があるようなものが結構ありそうなので、やはり完全版を取り寄せたいと思った。そこで、英語は殆ど勉強して来なかったけど、これを取り寄せることにした。
目を皿の様にしてクーロンなる文字を探したが出て来なかった。
しかし、字面を辿ると何だかとても懐かしいような音が聴こえたような気がした。
ホントにこんなに何千円もするような本を毎日検索しては買っていたのでは破産してしまう。
困ったものだと思った。仕方がないけど、脳裏に染み付いた昔の詩集を取り寄せてみたかった。
やっと出版社を思い出して検索したら、嘘みたいに安い値段であった。
どうせ汚らしいのだろうと思ったけど、送料と100円くらいしか高くない古本だし、昔の記憶が蘇ればと思って注文した。
それが今日やっと届いた。
翻訳もいいものだったのは、脳裏にしみこむはずだ、一流の詩人たちのものだったのだから。
音楽に関係のある、ショパンについて婦人が話している『婦人の肖像』、『前奏曲集』というそのまんまのタイトル。そしてあの「クーロン」ということばは???
私の記憶違いだった。『荒地』という詩集の前書きというか添え書き、「エズラ・パウンドのために」とあるのだが、これは聖杯伝説に関するウェストン女史の著作『祭祀よりロマンスへ』に暗示されているらしい。『クーマエというところで....』とあるのがどういうわけか私は誤ってクーロンと思いこんだのか?それだと思う。
これをきっかけにして、もう一度エリオットの詩集を堪能したい。
確か香港の街、九龍にちがいなかった。それが出てくるのはT.Sエリオットの詩集だと思う。が、それはもう今は手元になく、検索しても絶版になっているようで、古本しかなかった。人の読んだ本は潔癖症の私としては厭なので、少し値が張るけど原文も付いてるものを入手することにした。
しかし、どうにも訳が昔読んだのとは違っていて(当然だろう、訳者が違うのだから)気に入らなかった。それにクーロンはなかった。他にもT.Sエリオットは詩を書いている。「四つの四重奏曲」や...。しかし、それに出てるかどうか?何となく、若い頃愛読した詩集にはなかったような気もした。それではないような気がした。それではどれ?
気になると眠れなくなる。そうなると、日常生活に差し支える。
エリオットの詩のタイトルといい、音楽に関係があるようなものが結構ありそうなので、やはり完全版を取り寄せたいと思った。そこで、英語は殆ど勉強して来なかったけど、これを取り寄せることにした。
The Complete Poems and Plays of T. S. Eliot
- 作者: T. S. Eliot
- 出版社/メーカー: Faber & Faber Poetry
- 発売日: 2004/10/07
- メディア: ペーパーバック
目を皿の様にしてクーロンなる文字を探したが出て来なかった。
しかし、字面を辿ると何だかとても懐かしいような音が聴こえたような気がした。
ホントにこんなに何千円もするような本を毎日検索しては買っていたのでは破産してしまう。
困ったものだと思った。仕方がないけど、脳裏に染み付いた昔の詩集を取り寄せてみたかった。
やっと出版社を思い出して検索したら、嘘みたいに安い値段であった。
どうせ汚らしいのだろうと思ったけど、送料と100円くらいしか高くない古本だし、昔の記憶が蘇ればと思って注文した。
それが今日やっと届いた。
翻訳もいいものだったのは、脳裏にしみこむはずだ、一流の詩人たちのものだったのだから。
音楽に関係のある、ショパンについて婦人が話している『婦人の肖像』、『前奏曲集』というそのまんまのタイトル。そしてあの「クーロン」ということばは???
私の記憶違いだった。『荒地』という詩集の前書きというか添え書き、「エズラ・パウンドのために」とあるのだが、これは聖杯伝説に関するウェストン女史の著作『祭祀よりロマンスへ』に暗示されているらしい。『クーマエというところで....』とあるのがどういうわけか私は誤ってクーロンと思いこんだのか?それだと思う。
これをきっかけにして、もう一度エリオットの詩集を堪能したい。
イタリア24の都市の物語 [本]
池上英洋氏の『イタリア 24の都市の物語』を読んだ。
イタリアに行ったことがないけど、リストの曲名でもイタリアの都市の名前が出てくるし、先日観た映画『愛と欲望の一族』も面白かったし、いろいろと知りたくなったのだ。
初心者でも読み易く、その都市にまつわる話がわかってよかったと思う。
これからは『エステ荘の噴水』なんかを聴くときでも情景が目に浮かぶというものだ。
イタリアに行ったことがないけど、リストの曲名でもイタリアの都市の名前が出てくるし、先日観た映画『愛と欲望の一族』も面白かったし、いろいろと知りたくなったのだ。
ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 ファースト・シーズン【4枚組】 [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: DVD
初心者でも読み易く、その都市にまつわる話がわかってよかったと思う。
これからは『エステ荘の噴水』なんかを聴くときでも情景が目に浮かぶというものだ。
真夜中になる前に [本]
『真夜中になる前に』はデュ・モーリア傑作集『いま見てはいけない』の短編集に収められている。
短編ながら心に響くものがある秀逸な作品ばかり収められている。文庫なのがちょっともったいないような気もする。単行本で装丁も凝ったもの、ぜひ出版してほしいものだ。
作家は既に他界しているが、物語はいま読んでも新鮮で、とくに人間の心理の綾が見事に描かれている。
ページをめくったが最後、結末まで読まぬことにはいかなくなる魔力が潜んでいる。
『真夜中になる前に』を昨夜よみはじめて、真夜中になる前に読み終えた。
静かな余韻が漂う。読書の醍醐味を久しぶりに覚えた。『レベッカ』も観てから読んだのだが、『いま見てはいけない』も『赤い影』が先だった。果たしてこの『真夜中になる前に』映像作品があったら?どうなんだろう。見てみたい気もする。しかし、想像で充分にそのシーンは蘇るだろう。
短編ながら心に響くものがある秀逸な作品ばかり収められている。文庫なのがちょっともったいないような気もする。単行本で装丁も凝ったもの、ぜひ出版してほしいものだ。
作家は既に他界しているが、物語はいま読んでも新鮮で、とくに人間の心理の綾が見事に描かれている。
ページをめくったが最後、結末まで読まぬことにはいかなくなる魔力が潜んでいる。
『真夜中になる前に』を昨夜よみはじめて、真夜中になる前に読み終えた。
静かな余韻が漂う。読書の醍醐味を久しぶりに覚えた。『レベッカ』も観てから読んだのだが、『いま見てはいけない』も『赤い影』が先だった。果たしてこの『真夜中になる前に』映像作品があったら?どうなんだろう。見てみたい気もする。しかし、想像で充分にそのシーンは蘇るだろう。
いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)
- 作者: ダフネ・デュ・モーリア
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 文庫
いま見てはいけない [本]
先日観た映画『赤い影』のことが気になっていたら、なんと原作は昨年出版されていました。そういえば年末からお正月にかけて何度となく足を運んだ本屋で見かけていた。アマゾンでググっていつも古本ばかり高値で買っていたから、気をつけていたのですが新刊の文庫でも最近は1000円を軽く越しちゃってるんですね。本体1200円+税。DVDとあまり変わりません。ひょっとするとDVDの方が安かったりして。以前、読まずに捨てた苦い記憶があるので、最近は時間もないし、本買うのはよほどのこと。
しかし、ワンクリックで買ってしまう、誘惑。
読んでみると、短編でした。観た映画のシーンが蘇って来て、しかも解説の山崎まどかさんが映画のことにも触れていて納得しました。他にも何編か入っているので楽しめるかな。
しかし、ワンクリックで買ってしまう、誘惑。
読んでみると、短編でした。観た映画のシーンが蘇って来て、しかも解説の山崎まどかさんが映画のことにも触れていて納得しました。他にも何編か入っているので楽しめるかな。
いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)
- 作者: ダフネ・デュ・モーリア
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 文庫
凍れる樹 [本]
井上靖の短編小説集「凍れる樹」を古本のサイトから取り寄せました。状態が良いのでこれからも古本を活用したいと思いました。初版本で表紙が布張りです。時代を経て色褪せてはいますが、紙質もよく保存状態がよいと思います。若い頃井上靖の本を何冊も読んだのですが、わりと好きでした。淡々として内面を綴っていて。ただ、自分が経験していないことばかりだったので、今読むと深みが出ていていっそう好きになります。
表題作「凍れる樹」は最初に載っています。これを読んで嫁にだす父の心境が分かったような樹がしました。わたしは女性ですので夫の心境も察するだけでしたが、なんだかとてもよくわかりました。
最近になってわたしが幼い時に住んでいた沼津を舞台にした「夏草冬濤」を知り、読みましたがこれも情景が浮かぶようでよかったです。他の作品も読んでみたいですね。