弦楽五重奏曲第4番ト短調K516を聴く♪ [モーツァルト]
- アーティスト: スメタナ四重奏団,モーツァルト,スーク(ヨゼフ)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2002/06/21
- メディア: CD
5人の編成は作曲家によってまちまちだったという。ルイージ・ボッケリーニという人はこの弦楽五重奏曲を一番たくさん書いた人らしいが、チェロを加えたらしい。モーツァルトはチェロではなくヴィオラだった。
中声部が加わることで潤いが出るという。はじめて試みたのがモーツァルト17歳、1773年。
短調の傑作K516を含む作品群はヴィオラ2本の編成である。つまり第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ(ここまでがどの作曲家も同じ)+ヴィオラなのである。ハイドンは弦楽五重奏曲をひとつも書いていないし、べ−トーヴェンは2曲にすぎない。モーツァルトは6曲。弦楽四重奏曲のまとまり感、緊張感に、重厚感、協奏曲風の自由さが+される。1787年31歳、ウィーンにての作曲である。
父親の病を知り、手紙を書いたのが1787年4月4日。そこには死の予感がにじみ出ているという。そして4月中旬に「ハ長調五重奏曲K515」を書く。この頃オペラ「ドン・ジョヴァンニ」(K527)作曲も始め、騎士長の死は父の死の先取りとみられる。
そしてこの「ト短調五重奏曲」作曲は5月16日。小林秀雄がフランスのカトリック詩人アンリ・ゲオンの言葉「悲しさは疾走する」を敷衍していったという。
ゲオンはこの曲を「死の五重奏曲」と名付け父親の死と結びつけている。
魂が飛んでゆくそんな感じもする。この曲で第4楽章でト長調に転調するが、切なく、叶えられない願いをこめた響きのようにきこえるので、アインシュタインは「慰めなき長調」と表現したという。
(以上海老沢敏著「図解雑学モーツァルトの名曲」から引用した。
2010-02-26 14:57
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